前回のあらすじ
ゼロニスのところへ向かう途中、小説のサブ主人公であるライトと出会ったリプリー。
彼はゼロニスと友人であり、道すがらに会いにいくところだという。
リプリーたちが仲が良さそうな様子を見て怪訝な顔をするゼロニス。
リプリーは婚約破棄の作戦として「ライトに片想いしている」と告げてみるが・・・。
<10話>「主役の初体験、私が奪っちゃいました」ネタバレ
リプリーの告白を聞き、黒いオーラをまといながらギロリと睨むゼロニス。
あの日、責任を取らなければどうなるか話をしたはずと言われ、リプリーは慌てて「シルビアが」と付け足す。
その流れで「お互いの過去について知らない」と話し出すゼロニス。怪しい笑顔を浮かべながら「例案経験は何人か?」と尋ねる。
経験はない、と答えるリプリーに、ゼロニスは疑いの眼差しを向ける。
こんなに魅力的な女性なのに恋愛経験がないなんてありえない、と心底真面目な顔でゼロニスは言う。
ゼロニスにも同じ質問をするリプリー。
するとゼロニスはため息をつき「この私にそれを聞くのか」と答えた。
数えられないほど経験したということか、と内心感じるリプリー。
しかしゼロニスは「あの夜、私の幼少期について詳しく語っていたではないか」「それを知っているなら、そんな私に恋愛ができると思うか」と言う。
続けて「あの件を知っているのは正直驚いた」「あの言葉にも驚いた」と話し、あの日のことを全く覚えていないリプリーは内心焦る。
しかしそれでも「覚えていない」とは言えず、適当に相槌を打つ。
リプリーがゼロニスの幼少期を知っているのは、小説を読んでいるから当然のことであった。
ゼロニスの母は後妻。権力欲が強く、自分の父より年上の公爵のプロポーズを受け入れたことが悲劇の始まり。
亡くなった先妻との息子が3人おり、公爵の地位をめぐって、息子たちとゼロニスの母の対立が毎日続いていた。
ある日次男が何者かに襲われ、黒幕としてゼロニスの母が疑われた。
実際は無関係であったが、事実など関係なくそこから争いは一気に加速。
公爵邸では罪のないもの多くの犠牲者が発生する事態となった。
そして最後には、争いの中心であった3人の息子たち、そしてゼロニスの母も命を落とした。そしてこれらのゼロニスがまだ10歳の頃の出来事であった。
ゼロニスさえいなければ、必死に息子を公爵にしようとして争いは起きなかったはず。当時は全てお前のせいだと言われた、と自虐気味にゼロニスは言う。
リプリーはそれを聞き「それはゼロニス公爵様が望んだことではなく、何も悪くない」とハッキリ言う。
ゼロニスはリプリーの頬に手を添え「あの時もそうだった」と誕生パーティーの日を思い出しながら言う。
ーーー
爆弾酒のおかわりをしようと横入りしたゼロニスを突き飛ばすリプリー。
ゼロニス相手に「ルールを知らないの?」「ちゃんと並んでください」「イケメンなのに常識がない」などと言い放つ。
ゼロニスはイラッとするが、酔っぱらっている相手と口論しても見苦しいだけ、とその場を後にする。
そんなやりとりを見ていた周りの人間は「あの家は潰されるな」などとヒソヒソと話しており、それはゼロニスにも聞こえていた。
1人テラスに出ていると、酔っぱらったリプリーに話しかけられるゼロニス。
「イングリード公爵を見ませんでしたか」「主人公だから会ってみたい」「皆金髪碧眼だから誰が誰かわからない」と話すリプリー。
ゼロニスはリプリーのそんな様子を見て、自分がそのイングリード公爵とわからないとはかなり酔っているようだ、と感じていた。
会ってどうするのか聞いてみると「イケメンかどうかの確認」と答えるリプリー。
「公爵が怖くないようだ、噂では平気で人殺しをし、気に入らない貴族は家ごと潰すような人間だと言われているのに。」とゼロニスが言うと、リプリーは「理由なくそのようなことをする人ではない」と答えた。
そして、ゼロニスは続けてこう語る。
リプリーの探す「ゼロニス」という人間は、は公爵を潰しかけ、母や義理の兄たちを死に追いやった。生き残った仙台の公爵も奇妙な病で悲惨な最後を迎え、噂では公爵になるためにゼロニスが毒殺したと言われている。
あの公爵は呪われているから、下手に近づけば命が危ない。周りの人間を市に追いやっていくー
ゼロニスが最後まで口にする前に、リプリーはゼロニスの手をひっぱたく。
そしてゼロニスを見据え「本当に無礼な人」と言うのだった。
感想
案の定、片想いしてました作戦は失敗(笑)まぁうまくいくとは思ってなかったよ・・・。
そして回想に入りました。2人の出会いのシーン、朝チュンするまでの物語。
ゼロニスはリプリーと出会う前から、小説とは全然違うように思う。
ああやって語っていることは、自分自身に対して感じていて、トラウマであり心の痛みの部分なんだよね。たった10歳のとき、母や家族たちがいがみ合い死ぬことになって、それが自分のせい!なんて言われるなんてさ、つらいよね。
目の前にいるのがその「ゼロニス」だとわかっていないリプリーが怒ってくれることによって救われるのかな。
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